504946d7.JPGまたネコにフラれた。

近所の喫茶店の前に黒ネコがいた。きちんと手を揃えて、大きな金色の目で私をじっと見ているから、ニャッ、と声をかけてみた。そしたらネコも、ニャ、と返し、私の方へ近寄って来たので、私も尻尾を振ってネコに歩み寄って行った。

愛しのネコを抱きしめようと、私はネコの目線にまで体を下げ、そっと手を伸ばしたその瞬間、ネコはスルリと私の手をすり抜け、空調のモーターの方へ。

失意の私を丸無視したまま、何があるのか、ネコはモーターの下に頭を突っ込んだ。しっかり私の方に尻を向けて。

モーターの下には水呑み場。ピチャピチャと音をたてて水を飲んでいる…私に向けられた尻尾は、私の失意をあざ笑うかのように、優雅に揺れている。

またしても、私はネコにフラれた。